(C) 活動データ、排出係数、品質基準要求事項に関する反応 (C.1)ロケーションベース法およびマーケット ベース法における現在のデータと品質基準の 要求事項
(C) 活動データ、排出係数、品質基準要求事項に関する反応 (C.1)ロケーションベース法およびマーケット ベース法における現在のデータと品質基準の 要求事項
スコープ2ガイダンス改訂調査
C. 活動データ、排出係数、品質基準要求事項に関する回答
C.1. ロケーションベース法およびマーケット ベース法における現在のデータと品質基準の 要求事項
スコープ2ガイダンスの第6章は、スコープ2排出 量を計算するための基本的なプロセスと必要な情 報を概説している:
- 全ての活動データ、すなわち、組織外の事業体か ら購入/取得し消費した全てのエネルギー、またはエネ ルギー属性(例えば、証書)が売却または移転された所有/運 営発電施設からの全てのエネルギーを収集する。
- ロケーションベース及びマーケットベース(該当する場合)の両方式で利用可能な、最も適切で、正確で、精度が高く、最高品質の排出係数を決定する。
- 各事業の全活動データに、施設の所在地または市場に基づいてその活動に適用される排出係数を乗じる。
スコープ2ガイダンスの第7章では、市場ベース法 で使用される契約手段に満足させなければならな い品質基準を含め、必要なスコープ2の算定・報告要 件の詳細が記載されている(本報告書のB.6.節に記載され ているスコープ2の品質基準に関する表7.1を参照)。
さらに、活動データ、排出係数、および品質基準の要件について、現行のスコープ2ガイダンスでは以下のように述べられている:
年間消費量:
- 組織は、購入電力、熱、冷房の年間総消費量を報告すること(スコープ2ガイダンス、7.2項、61ページ)。
排出係数の選択:
- 組織は、各方法で利用可能な、最も適切で、正確で、精密で、最高品質の排出係数を使用すべきである(6.5項、45ページ)。
- 組織は、信頼性、完全性、地理的・時間的・技術的代表性を含む品質指標に基づき、排出係数データを評価することができる(Scope 2ガイダンス、6.10.1項、54ページ)。
位置情報ベースのグリッド平均排出係数:
- スコープ2ガイダンスの表6.2は、位置情報ベースの排出係数を選択する際の優先順位を示している(スコープ2ガイダンス、6.5項、47ページ)。
- 位置情報ベースの排出係数のための最も適切な空間的境界は、バランシング地域のようなエネルギーの分配と使用の地域に近似したものであり、この境界内の全ての発電と排出のデータは集約されるべきであり、正味の物理的エネルギーの輸出入とそれらに関連する排出は考慮されるべきである。また、必要な場合には、より大きなバウンダリ を使用するオプションも提供されている(Scope 2ガイダンス、6.10.1項、54ページ)。
市場ベースの排出係数の品質基準:
- スコープ2ガイダンスの表6.3は、最も正確なもの(例えば、消費単位と一致する単位(例えば、MWh)で発行されるエネルギー属性証書)から、最も正確でないもの(地域における未請求の全生産量を代表する属性の平均値)に基づく手段の階層を表している(スコープ2ガイダンス、セクション6.5、48ページ)。
- 組織が、各エネルギー消費業務について複数の市場ベースの排出係数を利用できる場合、各業務について最も精度の高い選択肢を使用すること(スコープ2ガイダンス、6.11項、54~57ページ)。
- 組織は、市場ベースの方法の合計で使用される契約上の手段が、スコープ2の品質基準を満たすことを保証すること(スコープ2ガイダンス、7.1項、60ページ):
基準 4、ビンテージ:「商品が適用されるエネルギー消費期間にできるだけ近い時期に発行され、償還 されること」。
基準 5、市場の境界: 「報告企業の電力消費事業が所在し、当該商品が適用されるのと同じ市場から調達すること。
- スコープ 2 ガイダンスの第 7.5 節「スコープ 2 品質基準に関する追加ガイダンス」は、組織がこ れらの要件に準拠する際に使用すべき潜在的な考慮事項を詳述している(スコープ 2 ガイダ ンス、第 7.5 節、63-65 ページ)。